イタリアの味 パネトーネ

19 11月

僕がフランス修行中の2003年、パネトーネ発祥の地であるイタリア北部のブレシアという街を訪れました。ミラノから数時間電車に乗り、ちょうどミラノとヴェネチアを結ぶ途中にある小さな町で駅に着いた時の濃い霧が印象的でした。
そして写真のイジ二オ・マッサーリさんのお店「ベネト」で食べたパネトーネのおいしさは衝撃モノでした。マッサーリさん自ら工場内を見せて頂きとても優しい方だと印象が今でもあります。その時からあのおいしさを再現することが僕のひとつの夢になっていました。

数年前からとりかかり、今やっと自信のもてるものができました。
パネトーネはドライフルーツのはいったパンのような見た目はシンプルな
お菓子です。でもいざとりかかってみると天然酵母や、対粉に占めるバターや砂糖の多さがミキシングの問題を生み材料を入れるタイミング、ミキシングの時間などの扱いで何度も失敗し、試行錯誤を繰り返してきました。とても奥が深く、しかし植物性乳酸菌の風味が何とも言えない至福の香りであり、成功の印でもあります。パティシエにとって探究心をかりたてられるお菓子だと思います。

イタリアでの感動の味を再現しました。ぜひご賞味ください。